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城定秀夫『恋のいばら』． 松本穂香、玉城ティナがそれぞれクセ強めの女子の敵対友愛関係を好演しているが、最後に画面の中心で輝くのは女王・白川和子。 この人数でこの内容なら、城定秀夫は80分以下で抑えるべきか、逆に人数と内容を増すべき。

ペドロ・アルモドバル『ヒューマン・ボイス』． 撮影、照明、編集、録音、音楽、衣装、美術、すべて素晴らしいところにティルダ・スウィントンと名犬ダッシュが加わった完全燃焼の30分。 本当にアルモドバルが撮ったの、と思うほどの初めての充… https://t.co/s2kJhMbwse

リー・ルイジュン『小さき麦の花』の予告で主演女優のハイ・チンを「国民の嫁」と呼んでいたが中国なら「人民の嫁』だろう。

『ケイコ目を澄ませて』はこれ以上の行列を作ってほしい。

デヴィッド・ロウリー『グリーン・ナイト』． 撮影照明音響衣装等、完璧主義な画面作りとロケ地はキューブリック『バリー・リンドン』(75)を継承。 光源が全て(直接間接含め)画面内に提示され、月永理絵が的確に指摘した「扉／戸口」は、光… https://t.co/ig3Z3khLTR

廣木隆一『あちらにいる鬼』． モデルへの嫌悪とは別に、映画の出来はいい。 荒井晴彦の昭和文士もので演出もいい意味でダラダラした味わい。 ピン甘めの画面作りも味わい。 シーツへの風も恵まれ、音楽も上質。 衣装は見事。着物より洋服がおしゃれ。 村上淳は『沈黙のパレード』に続く好演。

久保田直『千夜、一夜』． 田中裕子、尾野真千子、名演。 田中裕子の声を基調とした静かな会話場面は概ね素晴らしい。 一方、物語が劇的に(作為的？)盛り上がるほど映画は盛り下がるのはドキュメンタリストの証か。 葬式場面(佐渡おけさ)は… https://t.co/iltqWE62S1

『ケイコ　目を澄ませて』は、三宅唱と岸井ゆきのでボクシング映画を撮らせたプロデューサーに、まずポイントをあげるべきだろう。

2022日本映画ベスト候補。 『ケイコ　目を澄ませて』 『麻希のいる世界』 『やまぶき』 『さかなのこ』 『裸足で鳴らしてみせろ』 『ザ・ミソジニー』 『はい、泳げません』 「遠くへ、もっと遠くへ』 『さすらいのボンボンキャンディ』 『激怒』

タナダユキ『マイ・ブロークン・マリコ』． 永野芽衣にガナリ芝居をさせてはいけない。 ガナリをやるなら、もっと緻密な構成・設計が必要。脚本段階の練り上げ不足。 スローモーションの使用も含め、以前よりも雑な仕上がりになったのは残念。 塩田明彦『麻希のいる世界』と同年公開なのは不運。

安川有果『よだかの片想い』． 女性「顔トラウマ」ものとして優れている一方、映画原作バックステージものとしてはビミョーな作り。 この規模の映画なら「製作委員会」が脚本に口出ししてほしい。 内情を知りすぎるが故の遠慮が働いたのか。 あと最後は二人で衣装をつけて踊ってほしかった。

沖田修一『さかなのこ』 さかなクンの帽子による伝承の主題と時間経過表象は、帽子を使った演出として、最近の日本映画では見られなかったもので、こうした細部が物語全体の時間とつながる語り口は、沖田の作家的円熟を感じさせるものだ。

『新章パリ・オペラ座　特別なシーズンの始まり』著名人コメントに、槇村さとる、有吉京子 両先生の名前を見るだけで「マーガレット育ち」は感無量。

エドウィン『復讐は私にまかせて』． 芦澤明子16ミリ撮影が冴えるインドネシア80〜90年代スハルト政権下トラウマティック性暴力アクション。 不能、性暴力犯罪と政治時代背景との結び付きの深さに驚かされる女性復讐劇。 今これを(嘘でも… https://t.co/NEZhudsNhK

きうちかずひろ『共犯者』1999． 裸足からサンダルと履いては脱ぐ小泉今日子に感動。それが最後の手のショットに反転する残酷。 工藤梨穂『裸足で鳴らしてみせろ』の「裸足」もよかったが、この着脱・往復運動が欠けていた。

工藤梨穂『裸足で鳴らしてみせろ』． 盲目の風吹ジュンと握った手の切り返し、並走車の横顔ショットが素晴らしいぶん、面会室の切り返しは凡庸か(不要？)。 実母の不在は一切無視。

工藤梨穂『裸足で鳴らしてみせろ』パンフレットに藤井仁子の解説文。お買い得。

『さかなのこ』公開時は、さかなクンとのんの二人で『徹子の部屋』に出てほしい。 さかなクンにとっては、徹子へのリベンジマッチ？の最良のパートナーになるはず。

森井勇佑『こちらあみ子』． 坂道の家等、見るべきショットは多数。 寄る視点と引くスタイルの配分が、極端かつ中途半端。 魅力的な演者をもっと活かすような撮り方があったのではないか。 音の遠近感も弱く、画面とうまく連動してない。 発達障害の美学化、はそろそろ打ち止めにしたい。

アンソニー&ジョー・ルッソ『グレイマン』． 市電を使った銃撃アクションには目を瞠るものがある一方で、ナイトシーンのアクションが闇にぼやけ過ぎ。 画面が無駄に暗く、それがノワールの美学として全く機能していないのは、ここ10年あまりのアメリカ映画全般の照明設計の大きな問題。