ファンシイダンス

『ファンシイダンス』★★★☆☆

『ファンシイダンス』 1989年作品。 周防正行監督の次作『シコふんじゃった。』を先に鑑賞していたので、鑑賞前に自分が思っていたよりも、笑いも涙も少なめな気がして、ちょっと拍子抜け。これは、少女漫画が原作だからでしょうかね。

修行僧のためのハウツーのような内容で登場人物らのキャラクターで話を展開させていくが、バブル世代特有の軽さとノリにイラッとさせられる。ただ終盤の主人公陽平の締まった顔立ちと立ち居振る舞いは意外性もあってそんなに悪くはない

『ファンシイダンス』笑いは少なく猿でもわかる禅寺での修行ライフといった感じで事細かに解説してくれるハゥトゥ映画といった趣。痩せてる頃の彦摩呂よりも序盤にエキストラで出てる若い頃の大杉漣とテンションのネタを披露する田口浩正が注目だ。

『ファンシイダンス』「シコふんじゃった」と同じような話の展開と登場人物の構成だが、本作はバブル期の古臭いノリが目に付いて ダメだった。

『ファンシイダンス』もっと禅に踏み込んでほしかったのと笑撃さがやや薄めながら構成や展開、雰囲気など周防作品の全ての原型とも言える・・・一番の驚きは彦摩呂や!

『ファンシイダンス』禅寺と言えば厳格に清楚に神妙に、そんなイメージは置いといて、修行僧だって一人の男の子である以上、そんなに簡単に徳を積める訳じゃない　堅苦しい決まり事も楽しんでいくうちに、実は変化している自分がいる　修業の所作姿が美しい

スカパラと禅僧が等しく死ぬほどかっこいい。それだけで大勝利です。禁欲後の舌吸いで人は失神する。現おくり人がさすがに棒読みすぎやしないかとか、クライマックスの盛り上がりとか、後続作同じ体制内異文化あるあるギャグじゃんとか言いたいこともある。

『ファンシイダンス』若ーい。

『ファンシイダンス』鑑賞。筋は散漫で、繋ぎ方も荒い。それでも不思議と画面から目が離せないのは、モックンの歌舞伎役者のような美しさのせいだろうか。『舞妓はレディ』の原型はすでにここにあり、それが面白い。

『ファンシイダンス』厳格さがもう少し欲しかった。

『ファンシイダンス』アイドルのイメージの強かった本木雅弘が頭を丸め、現代っ子修行僧役。俳優としての初主演。「おくりびと」への第一歩。またここから後の周防作品に必ず主演する俳優もたくさんいるので、「はじまりな映画」として見ると面白いかも。