誰かに見られてる

『誰かに見られてる』若くて格好いいトム・べレンジャー版ボディガード不倫風味って感じだけど、サスペンスとしては駄目。クライマックスの子供が人質にされる展開には「何で」としか思えないし、マイクが当然のように家庭に帰るラストも釈然としない。

『誰かに見られてる』いわゆるロマンチックサスペンスってことになるんだろうけど、緩い。緩いよ～～う。興味をもてたのは「ミミロジャース」だけ。彼女、トムクルーズの元妻だしさ、どんな芝居するんだろうって。あーでも緩いです。

サスペンスとしてもラブロマンスとしても中途半端な作品　雰囲気作りは問題無いが、事件がどこかおざなり気味なのと人間関係やドラマに“深み”が感じられないのが気になる。　大人のロマンスを前面に押し出した内容だったらもっと楽しめたかも。

『誰かに見られてる』サスペンスとしてもラブロマンスとしても、半端な感じに思えてしまった。悪役も小物過ぎて魅力がないし、ハラハラドキドキしなかった。それにしても嫁のエリーが可愛そう。あんな結末でホントにいいのかエリーよ。

R・スコット監督『誰かに見られてる』（87）。終盤、ヴァンゲリスのスコアが流れるに及び、兄スコットが本作を『ブレード・ランナー』（82）のヴァリアントとして考えていたのかと疑う。高値の花のヒロインと中年ヒラ刑事の恋、複数の殺し屋との対決…。SFを妻子付きの現実世界に戻してみたか。